今年もまた、丸の内の朝を彩るミュージカル色のパーティーがはじまりました。
ビジネス街であると同時に劇場街の顔を持つ丸の内だからこそ、楽しくまじめにミュージカルを堪能したい!
そんな受講生たちが朝7時15分に集まる感じがなかなか素敵なミュージカルクラスは今年で5回目。
また、はじまるなぁ。うれしいなぁ。
ナビゲートしてくださるのは塩田明弘さん。
「人生棒にふってます」と笑いながら気さくに話してくださいますが、指揮者として、音楽監督として、数多くのミュージカル作品を手掛けていらっしゃるスゴイ方。
もちろん今回のクラスのフィールドワークで観劇するマリーアントワネットの指揮も塩田先生。
オーケストラメンバーだけでなくキャスト・スタッフからも絶大な信頼を寄せられ、愛情をこめて「塩ちゃん」と呼ばれています。
そんな塩ちゃん先生にミュージカル創作の現場の表と裏を見せていただけるなんて!
指揮者はオーケストラのなかで唯一、楽器を演奏しません。
タクトを降ることで、オーケストラに対して、いつ、何をどのようにするのかを指示を出します。
ミュージカルは芝居、踊り、音楽から成る総合芸術なので、音楽表現の方向性を決定する指揮者の役割はとてもとても重要なのです。
そんな塩ちゃん先生の主戦場であるオーケストラピットで一緒に仕事をしていらっしゃるのが、第1回目のゲスト長谷川友紀さん。
友紀さんはパーカッション(打楽器)のプレイヤーとして、塩ちゃん先生と約30本(!)もの作品でご一緒されています。
友紀さんが演奏するパーカッションとは、打楽器全般のことを指します。
小だいこ、大だいこ、シンバル、トライアングル、カスタネット、鉄琴、木琴、タンバリン、ティンパニ…これら全部がパーカッション。
それはもう多種多様で、見た目からは楽器だとは到底思えないようなものも楽器になっちゃうのがパーカッションのおもしろいところ。
作品によっては「鎖」も立派な楽器として登場します。
(元吹奏楽部員の方は「海の男達の歌」という曲で出てくるやつと言えばわかるかもしれませんね。→
youtube)
いつも友紀さんはオーケストラピットのなかにたくさんの打楽器を並べて、千手観音のように演奏してるのだそうです。
音楽主体のミュージカル作品の場合は、3時間ずっとたたき続けているんですって。
ここで!塩ちゃん先生の指揮で友紀さんにマリーアントワネットの一部の曲を紹介していただきました。
トライアングルでピリピリと鋭いビートを刻んだり、
タンバリンでしゅわーっと貫く流れ星を飛ばしたり、
グロッケン(鉄琴)でやさしい子守唄を歌ったり。
パーカッションだけで表現できる豊かな世界観にびっくり。
こんな大変なことがオーケストラピットの中で行われていたんですね!
お互いを見るあたたかい目が、毎日舞台を務めるなかで起こる様々なアレコレを一緒に乗り越えてきた何よりの証拠。
おふたりを通して、創作の現場は厳しくもめちゃくちゃおもしろいところであることを垣間見たような気がします。
受講生みんなの胸が高鳴ったところで、もう出勤通学のじかん。