丸の内朝大学のクラスをきっかけに、受講生同士のネットワークから生まれた、
まち、地域、社会を変えるプロジェクトの活動をレポート!
2014.04.21
Theatre at Dawn (シアター・アット・ドーン)
本日初日をむかえた「ペテカンの朝コント」
演劇ライターの栗原さんに、コラムを書いて頂きました。
寝ぼけ眼には笑いが効く
~眉間のシワがなくなる朝コント、いただきます~
演劇ライター/栗原晶子
働く人々には、いろいろな朝が来る。
たとえば、会社で大事なプレゼンを控えて緊張していたり、今月のノルマがこのままじゃ達成できないと前日に通告されて凹んでいたり。
女にも男にも、いろいろな朝が来る。
たとえば、付き合っている相手に結婚の意思が全くないことを知って失望していたり、最近家族の寝顔しか見てないなぁと複雑な思いを抱えていたり。
いろいろあっても朝は来る。
夜明け間もない朝のカフェを劇場にして、お芝居や音楽を体感するソーシャルプロジェクト、THEATRE AT DAWN(シアター・アット・ドーン)が贈る最新公演は、「ペテカンの朝コント」。
「朝からコント? いや、笑ってる場合じゃないんだよ、マジで……」そんなつぶやきも聞こえてきそうだが、これが案外気持ちいい。
丸の内のカフェ・サルバドルでモーニングを食べるという、それだけでいつもよりちゃんとした朝!?に、「ペテカンの朝コント」は始まる。ストレスは感じない。この人たち、朝の電車で同じ車両にいた人かもと錯覚するくらいのナチュラルさだ。
女子アナの笑顔より清々しいってホント!?
コントの舞台は朝のカフェ、そこに集うのはとある会社の社員たち。もちろん寝ぼけているわけではないけれど、いっそ寝ぼけたつもりで彼らの話に耳を傾けはじめよう。
はじめは小さくうなづいてしまう。つづいてコーヒーカップ片手に、「あるある!」と薄くニヤリとしてしまう。そして、気がつくと声を出して笑ってしまう。
「いやいや、そんな馬鹿な。だって朝でしょ、ワタシ低血圧だし……」とか、「俺、お笑いにはちょっとうるさいからね」と斜めから入ったとするとどうだろう。
はじめはフッと笑って、あわてて眉間にシワを寄せてしまう。つづいて紅茶をひとすすりしながらププッと笑って、急に周りを気にしてしまう。そして気がつくと声を出してアハハと笑ってしまう。
なんだ、なんだ、この清々しさは! ライブな笑いで目が覚める朝は、モニター越しに見る女子アナの笑顔に癒されるよりずっと清々しい。それはきっと、今日の星占いで最下位だったこともすっかり忘れてしまうほどの気持ち良さなのだ。
上演時間は7時30分~8時15分(7時00分開場)。見てみたいけれど出勤時間に遅れないかちょっと心配という方にも、「大丈夫!!」と言いたい。なぜなら「ペテカンの朝コント」を見た後なら、いつもより大股で歩いてオフィスに向かえるに違いないから。
働く人々には、こんな朝が絶対いい。
演劇ライター/栗原晶子
イベント情報誌やフリーマガジンの編集者を経て、フリーの編集&ライターに。王道ストレートプレイからミュージカル、コントまで、旬の生モノを発信する劇空間を求める日々。
主な執筆に、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』アフタートークショーレポート、『DREAM,A DREAM』~宝塚100周年前夜祭~トークショーレポートなどがある。
◆観劇blog『拝啓、ステージの神様』
◆イラストエッセイブログ『食べ頃シネマ』
http://tabegorocinema.blog.fc2.com/
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